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週刊づらげるげ
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菊之助はいつも苛められていた。 それは孤児だったこともあるが 彼の心が純粋で優し過ぎたこともあった。 大人の村人達もそんな彼を不憫に思うどころか 関わりたくないと敬遠していた。 彼は村はずれの山寺で いなくなった住職の代わりに奉公を続けていた。 菊之助はいつも独りぼっちだった。 ある日村人の一人が血相を変えて 村長の家を訪ねた。 「大変じゃ! ばっ・・・化物が現れたっ!」 「何じゃとっ!」 村人の話によると 夜に近くの田を見回りに行ったら 八尺ほどの大きさの化物が田を荒らしていたそうで その風貌と形相に腰を抜かしたそうだ。 化物は村人を襲うこともなく すぐに村の外に去ったらしいが また来るかもしれないと心配した村長は 村人達に警戒を強めるようにお達しを出した。 やがてすっかり暗くなったある夜のこと 納屋で食べ物を漁っていた化物を 村人の一人が見つけた。 化物は逃げ出そうとしたが 斧や鍬を身構えた村人達に取り囲まれた。 「やいっ化物! 村を襲って許さんぞ! いざ成敗する!」 村長はそう勇んで声を上げ自ら持っていた鉈を 振り下ろそうとした。 「待って!」 村長を制し叫んだのは菊之助だった。 唖然とする村長や村人を尻目に 彼は化物に近づきこう言った。 「お願い、村長さん この化物を許してあげて!」 「何を言っているんだ菊之助 さては化物の手下かっ!」 そう皮肉めいて問いかける村長の言葉に 村人達は皆武器を構えながら笑い出した。 「違う! この化物は・・・この化物は・・・」 そう言って菊之助は 化物にしがみついて涙を流した。 化物はまるで子供をあやすように 彼をゆっくり抱きかかえた。 すると一条の光が辺りを照らし 気がついた時には化物の代わりに いなくなった住職が菊之助とともに現れた。 突然の展開に言葉を失う村人達。 「住職殿! ご無事でしたかっ!」 村長は声を上ずらせてそう言うのが精一杯だった。 住職の話によると 彼がいつものように念仏を唱えていると 突然化物の姿になり 元の姿に戻るには 一人でも村の人の慈愛を 受けることだと悟ったそうだ。 「菊之助・・・ 今まで済まなかった・・・ この通りだ」 そう言って村長は深々と頭を下げると 他の村人達も涙ぐみながらそれに従った。 「いやっ おらは・・・その・・・」 そう言って戸惑う菊之助を住職は温かく見守った。 それからというもの 村人たちは菊之助を村の恩人として 労を惜しまず接するようになった。 菊之助はもう独りぼっちではなくなった。
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