それでも俺らは肉を食う

ここ数年,僕は自分達が今食ってる肉がどのように扱われ,加工されて切り身の肉になっているか,気になり始めた。きっかけはコンシューマゲームで,メガテンシリーズの中でも異色の作といわれた,『デジタルデビルサーガ・アバタールチューナー1・2』だ。
この物語の中では人間が悪魔化したり,食らったり食らわれたりしている。僕は最初面白い,変わったテーマだな,と思って遊んでいた。でもだんだん遊んでいるうちに,これはなにも不思議な珍しい話でもなんでもなくて,今生きてる僕らの生活と同じなんだ,と気がついた。
そういえば,僕は子供の頃,国道沿いの道を牛をたくさん載せたトラックが通り過ぎるのをよく見ていた。僕は子供ながらにあの牛はどこかの施設で屠殺されて肉になることを知っていたし,牛はかわいそうだけれど僕達人間が肉を食べるのは仕方がないことだと不思議と納得して受け入れていた。しかしここ数年はどうだろうか。牛を載せたトラックが昼間から走る姿を見ていない。しかしスーパーや肉屋にいけば肉はちゃんと並んでいるから,どこからか牛が運ばれてどこかで屠殺,解体されて,加工を経て肉になっているのだ。それら一切の工程が全て僕ら一般人の知らない所で行われているから,僕らは肉と言うものがどんなものか本当はよく知らない。
知らないから平気でたべものを残したり,捨てたりする。僕は肉がどのように扱われ,我々の食卓に供されるのか,みんなが知るべきだと思うのだ。そうすれば,きっとたべものを粗末にすることなどできないだろうと思う。といっても僕自身どこかの屠場を見学に行く機会にも恵まれず,とりあえず資料として森達也の『いのちの食べかた』(理論社)を読んだり,芝浦と場のオフィシャルサイトを見てほんの少しだが勉強することにした。実際に屠場に行くことはできなくても,現場のレポートや説明を読むことである程度の情報は把握する。屠場の仕事は残酷だとか動物がかわいそうだなんて言う人がいるかもしれないが,我々が今現在肉を食ってる以上はそんなエラそうな口は叩けないはずだ。じゃあ肉を食うのをやめてベジタリアンになるかい?でも肉っておいしいよね。今更食べるのやめられないよね。だったら,やっぱり僕らはある程度は屠殺の現実を受け止めて肉にもっと感謝して食べるべきなんじゃないかな。
怖いから知りたくない,かわいそうだから知りたくない,そんなふうに考えるからたべものを平気で粗末に扱う。
だからこそ僕はもっと日本人は屠殺や肉の加工について最低限の知識は必要なんじゃないかな,と思う。悲しいけれど,今の日本人は生きていた牛がどんな過程を経て肉になっているかあまり把握していないし,またそういった仕事をしている人を差別したり忌み嫌ったりしている。自分達だって肉食ってるのに。変な話だよな。
昔は農家なんかだと庭で鶏を飼っていて家でつぶして食っていたものだ。そして牛を載せたトラックを見かけなくなって久しい。どうして僕らは肉の消費量は増えているのに,肉の屠殺や加工の場からどんどん遠ざかっているのだろう?そんなことだから僕らは動物の命を殺して肉を食っていると言う意識がどんどん薄れてきているのだろうと思った。

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